世界中のカポエイリスタにとって、週末の最大のできごとと言えば、
なんといってもメストレ・ジョンペケーノ(通称:Mestre João Pequeno、本名:João Pereira dos Santos)逝去の話でしょう。
カポエイラ東京も、土曜日の練習では急遽メストレ・ジョンペケーノについて簡単に勉強をしたり、追悼の意を表してアンゴラホーダを行ないました。
この辺りのメストレになると、団体がどうのこうのではなく、もう我々カポエイリスタ全員のメストレと言っても過言ではありません。
享年93歳だそうですが、また一人、偉大なカポエイリスタが永遠に旅立ってしまいました。
メストレの誕生日は12月27日なのでもうすぐ94歳のはずでした。
最近、真冬の冷え込みが続いていたからなあ、と、一瞬思いましたが、
今は、サルバドールはむしろ真夏。
その暑さのせいだったのかもしれませんが、亡くなったのは12月9日のことで腸の疾患(em decorrência de uma falência intestinal)によるものだそうです。
ハトが初めてブラジルに行った2006年12月、
たまたま行ったアンゴラ城(Forte de Santo Antônio)内にあるメストレ・ジョンペケーノのアカデミアでは、メストレの89歳の誕生日ホーダが開かれようとしていました。
団体を問わず、サルバドール中からメストレを祝福するために、他のメストレやカポエイリスタが集まってきていました。
みな、メストレ・パスチーニャ(Mestre Pastinha)の直弟子であり、一時代を築き上げ、多くの著名なメストレを輩出した、この古参メストレを敬愛していました。
誕生日ホーダで真ん中のビリンバウ弾いているのが孫娘
色々探していたら、2011年9月にメストレがジョゴをしている動画が見つかりました。
↓94歳のおじいちゃんがカポエイラやってるんですよ!
↓さらにメストレのアウラ(カポエイラのクラス)。黄色いジャージがステキです♪
メストレがジョゴしているのを見ると、
わたし、体力無いからとか、運動神経無いからと言ってる人って、94歳より本当にそれらが足りないのか?って思ったり、
また、日本の我々若者世代が、ほんのちょっと体が痛いからと練習休んだり病院行ったりしているのって、なんだか恥ずかしく感じられたりしてきました。
ブラジル、サルバドールのあの世代の人なんて、衣食住も医療も、日本と比較にならないくらい条件悪かったらしいです。
調べてみると、サルバドールの1970年代は特にひどい時代で、貧困と飢えで多くの人たちがカポエイラを続けることを断念していった時代だそうです。
飢えですよ飢え。
食べるご飯が無いのですよ!?
それに比べたら、「最近会社が忙しくてカポエイラできないッスよー!」って、カワイイものですね。
去年あたりに、メストレ・シーロ(メストレ・ジョンペケーノの弟子の一人)が来日した際、
メストレ・ジョンペケーノの経済的な苦難を援助する募金に、わずかながらもカポエイラ東京も協賛しました。
こんな有名なメストレでさえも恵まれた環境ではなかったのですが、それでも94年間カポエイラを続けてきたことは素晴らしいですね!!
世界中がメストレの死を悼む中、
メストレ・ジョンペケーノ本人にとっては、敬愛するメストレ・パスチーニャに、
ついに天国で会えてるはずですから、むしろ喜んでいるかもしれませんね。
二人とも、あちらでもカポエイラをして楽しんでいるのでしょう。
メストレ・ジョンペケーノのご冥福を心よりお祈りします。