カポエイラとは

カポエイラとは

カポエイラは近年、特に欧米では「スポーツ」や「エクササイズ」のとしても人気が高い。

また、「アクロバット」、「柔軟性を得るためのエクササイズ」、「異文化交流」要素も注目されている。

 

実際にはさらに「哲学」、「音楽」、「歴史」や、「教育」など様々な性質を持つブラジル文化の一つ。

ここではそんなカポエイラについて、初心者向けに分かりやすく解説する。

カポエイラとは?

カポエイラ(Capoeira =カポエィラ、カポエラとも表記される)は、格闘技と音楽や踊りが融合した「ダンス格闘技」。

 

カポエイラをする人々を、カポエイリスタ(Capoeirista)と呼ぶ。カポエイリスタ達はホーダ(Roda=円)を作り、楽器や歌、動きを交代で担当しながらカポエイラを進める。

 

円の中では二人組でカポエイラのジョゴ(Jogo=ゲーム)が繰り広げられ、ジョゴでは、アクロバットやフェイントを使いつつ、足払いやキック、頭突きも使われ、時には手を使った攻撃や投げ技も行なわれる。

カポエイラの流派

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カポエイラとは?=エクササイズ

近年、特に注目されているのが、エクササイズとしてのカポエイラ。

運動量が多く、全身をバランス良くトレーニングするカポエイラは、ダイエットやエクササイズとして特に女性に人気が出てきている。

欧米では女性に人気

日本ではゲームや漫画の影響からか、カポエイラは男性向けという認識が強く残っている。

また、後述するようなカポエイラの成り立ちの経緯から、以前のカポエイラは主に男性が行なうものだった。

でも、現在では男性だけでなく多くの女性もカポエイラを楽しむようになっている。

 

特にカポエイラでは柔軟性が必要な場合が多く、動きの美しいしなやかなカポエイラは、より女性に向いていると言える。

接触を主目的としない格闘技という特徴は、女性や子供、お年寄りも参加できるという、カポエイラの格闘技としての親しみやすさの一因にもなっている。

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カポエイラの効果

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カポエイラとは?=格闘技

 

勝敗が無い格闘技

格闘技なのに勝敗が存在しない。これは、とても変わった特徴。

明確な勝ち負けや、ルール上の勝負の判定が無いのに、何のために格闘技をするのか?不思議に思うかもしれない。

 

カポエイラでは自分自身が楽しむために、そして様々な動きを通して周りの人たちを楽しませるために格闘技をする。

だから、子供も大人も一緒にカポエイラをするし、階級別や男女別なんてことも無い。

障害を持っている人や怪我をしている人だって、一般の人と一緒にカポエイラを楽しめるところが、カポエイラという格闘技の面白さ。

 

とはいえ、実は心の中では、勝ち負けは存在している。

例えば、「相手の方が、自分より柔軟性が素晴らしかった!」、「自分のアクロバットは、周りの人たちを大いに沸かせた!」、「足払いで倒された!」などなど。

心の中では悔しい思いをしたり、満足な気分になったりなど、ルールには無い精神的な勝ち負けは大いに感じる。

接触しない格闘技

格闘技なのに接触を直接の目的としていない。

蹴る際は、しっかりと相手が居る場所を狙って蹴るものの、基本的に相手が避けることが前提となっている。

 

もう少しカポエイラの攻撃について説明すると、避けることを見越して蹴りの軌道を変えることは無く、蹴り出した足は相手が避けたとしても蹴り終わりまでそのまま当初狙った位置へ向かって動き続けるという、暗黙のルールがある。

 

足技が主に狙う部位は、頭やお腹など。

それらの部位を狙って放たれた蹴り技は多くの場合、相手が低く避ける・外側へ避ける・内側へ避けるなどをすることで、当たることがない。

 

もちろん、攻撃側は当てないように蹴っているわけではないから、避けきれずに接触する場合もある上、足払いなどの倒し技では直接相手の体に触る。

それでも、比率としてはやはり空を切る足技が主。

年齢・性別・体格差の優劣が無い格闘技

カポエイラでは、例え小学生前の子供だったとしても、マッチョな大人でも、足元がおぼつかないおじいちゃんおばあちゃんでも、同じ土俵で戦う。

性別ごとに戦いを分けたり、参加不可な制限をしたりなどはしない。

 

なぜなら接触しない格闘技として比較的安全であること、相手を打ち負かすことを目的とした格闘技では無いこと、そして勝ち負けより楽しむことが重要視され、そのためには相手をリスペクトことが大切であるから。

 

カポエイラの説明をする際、便宜上、「格闘技」とされることが多いものの、実際は「アート」であり「文化」でもある点が、年齢性別体格差などで区分を作る必要が無い理由の一つ。

足技主体の格闘技が生まれた理由

不自由な生活を強いられていた奴隷たちには、武器が無かったどころか、時と場合によっては手枷などを付けられていた。

手枷を付けられた状態で戦える自分の武器、それが足技!

 

かくして、足技が発展したカポエイラだけど、全く手を使わないわけではない。

アウーと呼ばれる側転や、バナネイラと呼ばれる倒立では手を使う。他にも、現代のカポエイラではあまり頻繁に見ることは少ないけど、手を使った直接攻撃も存在する。

ただし、ほとんどのカポエイラの基本的な動きは、手枷を付けた状態でも可能。詳しくは下記の動画で検証しているのでぜひご覧を!

攻撃に使われる体の部位

打撃系の攻撃に限って言えば、カポエイラで使われる体の部位の比率は、あくまで筆者の主観だけど大雑把に言って以下の通り。

  • 足先=94%
  • 頭=5%
  • 肘や膝=0.3%
  • 手=0.3%
  • お尻=0.3%

要するに、カポエイラにおいて足技の比率は圧倒的。

ただ、繰り返しになるけど、手をまったく使わないわけではなく、防御やフェイント、表現などではものすごく重要な役割を果たしている。

カポエイラとは?=ダンス

カポエイラはよく「ダンス格闘技」と呼ばれるだけあって、ダンスでもあり格闘技でもある。

ここでは、そんなカポエイラにおけるダンスの面に焦点を当てた解説をしてみる♪

一般的なダンスほどはリズムに厳密ではない

カポエイラはダンスと言われるものの、他のダンスのように厳密にテンポに合わせてステップを踏まなければならないということはない。

これは、ダンスとしてのカポエイラが、他と大きく異なる特長。

 

だから、リズム感の無い人でも安心してカポエイラに取り組むことができる。

とはいえ音楽との一体感があると良い

リズムやテンポを気にする必要は無いとはいえ、音楽と一体になった動きは見ていても気持ちが良いもの。

より上手く、美しく見える要素だから、やはりカポエイラの動きに音楽は大切。

ダンスに見せかけた格闘技が生まれた理由

ブラジルの歴史研究によると、カポエイラは支配に苦しむ奴隷達が民族舞踊のように見せかけた格闘技という説が有力になっている。

ブラジルの農園で働く奴隷たちには武器が無く、圧倒的な支配者層に立ち向かうために唯一使える攻撃手段として、自分の体を使った格闘技が生み出された。

 

とはいえ当時の支配者層も奴隷たちが格闘技の練習を許すわけがなく、カポエイラを発見すれば厳しく罰していた。

そんな支配者の目を盗んで格闘技の練習をするために、奴隷たちが考えた方法がダンスにカモフラージュすること。音楽に合わせて2人が踊り合うことは、ごくごく自然な余興で、そのようなことまでを取り締まることはしなかったらしい。

 

常に音楽を鳴らしながらカポエイラをしていたカポエイリスタ達は、支配者層や憲兵が居ない時は激しいカポエイラで格闘技の技術を磨き、見回りが近づいた時は音楽のリズムを変えることで仲間たちに知らせ、よりダンスらしい動きに偽装したと言われている。

カポエイラの特徴である「音楽 x 格闘技」は、このような歴史的、抑圧的な経緯があるからこそ生まれた。

格闘技であって格闘技ではない

このダンスの要素があるがゆえに、カポエイラが他の格闘技とは違う特徴となっている。

格闘技ではあるものの、ただ純粋に戦闘をするためではなく、ダンスだからこそ「遊び」や「優雅さ」、「美しさ」や「楽しさ」も重要な要素。

カポエイラの影響があるダンス

カポエイラの動きは、他の多くのダンスに影響を与えた。また同時に、他のダンスからもカポエイラは影響を受けている。

コンテンポラリーダンス

ブレイクダンス

ヒップホップ

トリッキング

アニマルフロー

ハウス

カポエイラとは?=音楽

カポエイラでは音楽がとても重要。

ここでいう音楽とは、楽器、歌、手拍子、コーラスなど。

 

カポエイラの動き自体は、音楽無しでも成立するが、それはカポエイラとは呼ばない。

カポエイラとは、必ず音楽と動きが一体になって行なわれるものだから。

ダンスだから当然音楽が必要

前述したように、カポエイラはダンスだから当然、音楽が必要。

音楽のリズムや、グルーヴに乗ってこそ動きが生き生きとしてくる。

カポエイラの音楽について

カポエイラの音楽についての詳しい解説はこちらから↓

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カポエイラとは?=コミュニケーション

 

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カポエイラの定義自体は色々とあるけど、その本質は非言語コミュニケーション。

要するに、言葉ではなく体や音楽を使って他の人と会話するところ。

 

それをダンスとも呼ぶし、アートや芸術とも呼ぶ場合がある。

そのコミュニケーションの手段の一つとして、格闘技の要素があったり駆け引きを使った遊びの要素があったりする。

カポエイラの動きは相手との会話

カポエイラの「キック」は「質問」、それに対する「避け」は「答え」。

「質問と答え」は、カポエイラの動きによく例えられる。

 

だから、相手を打ち負かすための格闘技としてだけの蹴りではなく、相手と会話するための蹴りなのである。

コミュニケーションの相手

カポエイラにおけるコミュニケーション相手は、複数存在する。

  • 目の前に居る相手に対してどう動くのか?
  • 音楽に対してどう自分を表現するのか?
  • 周りの観客は自分のカポエイラにどう反応するのか?
  • さらに相手を通した自分、音楽や観客を通した自分に対してどう表現するのか?

などなど。

カポエイラとは?=遊び

カポエイラとは?=アクロバット

カポエイラとは?=アート

カポエイラとは?=芸術文化

ユネスコ登録の無形文化財

カポエイラは2014年に、ユネスコの無形文化財として登録された。

正確には、格闘技や踊りとしての狭義のカポエイラだけでなく、「カポエイラの輪」というカポエイラを取り巻く人だかりも含めたコミュニケーション文化全般が対象。

カポエイラに関連するアフロブラジル芸術文化

ある研究者によると、「音楽と共に円の中で交互に回転運動を繰り出すカポエイラの動きは、da volta ao mundo(世界を回る動き)を投影している」とのこと。

これは、他のアフロアメリカ文化圏の格闘技も同様で、例としてキューバには格闘技を模したダンスで、"マニ"と呼ばれるものがある。

マニは、カポエイラと同じくプレイヤーは円の中に立ち、音楽や歌と共に円の周りの人間を次々と指名、ノックダウンする。その動きの中には、カポエイラで使われる足払い(ハステイラ)に似た技も見られる。

 

アフリカ起源のレスリングやマクレレと呼ばれるスティックファイティングは、ブラジルの他に、17世紀のバルバドス国や18世紀のジャマイカ国、19世紀のベネゼイラでも記録に残っている。

スティックファイティングに限っては、現在もトリニダード・トバゴ共和国、カリアク島・プティトマルティニーク島、ドミニカ共和国、ハイチなどでも存在している。

マクレレ

マクレレ

カポエイラの歴史

さらに詳しくカポエイラの歴史を知りたい場合は、こちらがおすすめ↓

Capoeira or the Dance of War by Johann Moritz Rugendas, 1825, published in 1835
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まとめ

ここではカポエイラの成り立ちからその発展、語源や成立した時代的背景などからカポエイラの解説を行なってみた。

格闘技として生まれたカポエイラが、段々と音楽やダンスの要素を取り込み、さらにはエクササイズとして現在まで広まっている点は、とても興味深いと思う。

もし、不明な点、もっと深く知りたい部分があれば、遠慮なく質問を!