カポエイラとは、ブラジルの歴史や文化に根ざした、音楽とダンスと格闘技の融合だ。カポエイラを楽しむには、適切な服装が必要だ。カポエイラの服装とは、どのようなものだろうか?この記事では、カポエイラの服装の基本や種類、選び方などについて詳しく解説する。カポエイラの服装は、白いズボンとアカデミーのロゴ入りの白いシャツが一般的だが、色や柄、素材や形などには様々なバリエーションがある。カポエイラの服装は、動きやすさや快適さだけでなく、カポエイラの歴史や哲学や精神を表現する重要な要素でもある。カポエイラに興味がある方は、ぜひ読んでほしい。
日本人が思っている以上に服装に厳しい
一般的なカポエイラグループに行く際、カポエイラを単なるエクササイズやトレーニングの場だと思っていると、日本人が思っている以上に服装には厳しい場合が多くて驚くと思う。
日本かブラジルか問わず、日本人の感覚で例えると「空手道場へ稽古に行くつもり」の服装のイメージが近い。
空手を習う子はどんなに小さくても真っ白な道着を来て通っている。
だから日本で言う所のフィットネスジムやヨガクラスの体験に行くような服装でカポエイラ団体に行くと、少し浮いてしまうかもしれない。
ちなみにカポエイラ東京では、服装はかなりゆるい。
カポエイラの服装とは?
カポエイラの服装は、その団体によって決まりが大きく異なる。
団体のロゴが入った上下白のユニフォーム、色の規定のみある場合、裾を入れる入れないなど。
同じ団体でも、練習時ではOKでもセレモニー時ではNGといった場合もあるから注意が必要。アフリカの文化を引き継ぐブラジルでは、カポエイラにおいても基本的に上下白色が正装と規定される場合が多くあるので、迷った場合は上下白が安全。
このページでは、団体によって服装のタイプがかわるため、以下のように3つに場合に定義して紹介。
- 服装の規定無し団体
- アンゴラ団体
- ヘジョナウ・コンテンポラーニャ団体
そして上記3つの分類において、以下5つのファッションアイテムをそれぞれ解説する。
- トップス
- ボトムス
- シューズ
- ベルト
- キャップ
まずは、本題に入る前にカポエイラのファッションアイテム5つについて簡単に説明。
カポエイラのファッションアイテム
カポエイラにおけるファッションアイテムとして、以下の5つについて。
トップス
上に着る服。基本的にTシャツが多い。市販のものではなく団体指定のものが多い。指定が無い場合は無地Tシャツが安全。
カポエイラ東京では、襟付きシャツを推奨している。理由はTシャツよりオシャレだから。ハトはたいてい、長袖の襟付きシャツを着ている。
ボトムス
下に履く服。動きやすい長ズボンが基本。帯システム採用団体では指定のブラジル製ズボン着用が多い。
それ以外では、市販のストレッチが効いたスポーツウェアがおすすめ。日本ではあまり見ないけど、欧米ではピタピタのヨガパンツでトレーニングしている女性も多い。
チノパンや綿パン、カラーデニムもオシャレでおすすめだけど、ストレッチタイプか、かなりワイドなタイプでないと足が上がらないから注意。
ちなみに短パンはNG。オンラインや海でのカジュアルなカポエイラの際は短パンもOKな場合もあるけど、通常のカポエイラクラスやセレモニーでは厳禁。大きな理由の一つは、具が見えるから。カポエイラやってる時はスケベな人でさえ真面目にやってるので、そういうラッキースケベは求められていない。
シューズ
団体によって規定が全く違う。
コロナ以降は当団体は靴着用必須。フットサル用やバレー用、カンフー用などが多い。厚底のテックスニーカーを履いてる人もいるけど、ソールは薄い方が動きやすい。
裸足の団体も多い。
ベルト
帯システムを採用している団体は当然、帯着用が必須。そうでなければ市販のベルトかナシでもOK。
革製だと汗で色落ちしたり痛むので布製がおすすめ。オシャレな布製ベルトってどこに売ってるの?
帽子
ヘジョナウ系は帽子は被らないけど、アンゴラ系やコンテンポラーニャ系はかぶることがある。
ハンチング、キャスケット、ワークキャップ、ニット帽、イスラムワッチなど。老メストレだとパナマハットや中折れ帽を渋く決めてる人もいる。ドレッドヘアをまとめるためにニットキャップを被る人も多い。
服装の規定無し団体の場合
特に服装の規定や統一されたユニフォームが無いタイプの団体のパターン。
自由度が高いだけに、個人のファッションセンスが試され、オシャレな人が多いイメージがある。
ハト今まで見た中でインパクトが強かったのが、革靴、ジャケット、パンツ、襟付きシャツというパターン。色は革靴も含め全身白の人もいれば、特にカポエイラに限定されず、結婚式の二次会に参加してもおかしくないジャケパンスタイルの人もいて、とにかくオシャレでスマートなカポエイラをしていた。
当団体、カポエイラ東京はここに分類される。
トップス
自由。Tシャツが多い。襟シャツもアリ。
ボトムス
長ズボン。足を上げたり逆立ちになる動作が多いので、半ズボンやスカートはさすがにNG。
シューズ
履いても履かなくても自由だけど、オシャレファッションに裸足って変じゃない?
ベルト
自由。アリでもナシでもOK。
帽子
自由。アリでもナシでもOK。
アンゴラ団体の場合
基本的に靴着用、露出厳禁。
アンゴラの場合は、黄色いシャツに黒いズボンだったり上下白だったりなど、色に関しては団体によってまちまち。
ただし、ほぼ全てに共通するのが以下のような内容。
- 靴の着用
- 露出NG(服の裾は必ずIN、タンクトップ不可)
- 髪の毛を縛るか帽子に入れる
- ベルト着用
髪や露出などセクシーさを感じさせるような格好が絶対NGな点が、真面目なのか不真面目なのかよく分からないブラジルっぽくて興味深い。
ちなみに、男であるハトが人前で着替えていたら怒られたこともあるくらい、肌の露出はNG.
トップス
団体指定のTシャツ。前屈しても背中が出ない、ブリッジしてもお腹が出ないほど裾が"かなり"長めのものが必要。
ボトムス
長ズボン。比較的ブカブカでゆったりしたものが多い。指定は無い事が多い。
シューズ
必須。特に指定の靴は無い事が多い。
ベルト
基本的に必須。特に指定のベルトは無い事が多い。
帽子
自由。アリでもナシでもOK。他団体に比べ圧倒的に帽子率高め。2,3割の人が帽子を被っている印象。
ヘジョナウ/コンテンポラーニャ団体の場合
基本的に帯着用、露出OK。
ヘジョナウやコンテンポラーニャなど、帯システムを採用している一般的なカポエイラ団体の場合、上はTシャツ、下は帯を着用した長ズボンになる。
所属するメストレのグループロゴが左胸に入り背中にも同様のロゴが入った白いTシャツ、左前に同じく所属グループのロゴが入った白いカウサ。帯を持っている場合は、必ず着用する。
靴は履いてはいけない場合もあれば、どちらでもOKな場合もある。
トップス
団体指定のTシャツ。団体によっては、TPOに応じて上半身裸になる場合もある。女子はスポブラだけでトレーニングする人も居たりする。
ボトムス
団体指定の長ズボン。ワイドパンツもいればスキニーもいたりする。
シューズ
コンテンポラーニャ系は履いても履かなくても自由。ヘジョナウは裸足がほとんど。
ベルト
団体でもらった帯必須。市販のベルトを使うことは無い。
帽子
ヘジョナウでは被らない。コンテンポラーニャではごく稀に被る人がいる。
TPOごとの服装の目安
バチザド・昇段セレモニー
他団体であろう自団体であろうと必ず正装。必ず所属するグループのロゴ入りTシャツやカウサを着用する。ロゴ入りシャツ等が存在しない団体の場合は、自団体で正装としている規定に則る。
オープンホーダ
自団体であればそのホーダごとのルールに従う。分からない場合や他団体の場合は正装の方が安全。事前に確認しておくと良い。オープンホーダであっても、主催がアンゴラかヘジョナウかコンテンポラーニャかによって靴が必須の場合や履いてはいけない場合もあるので注意が必要。
他のグループの通常の練習
事前に確認が必須。基本的に、正装で行った方が礼儀正しい。
アンゴラグループへ行く際は靴の着用が必須。Tシャツの裾はズボンの中へ入れ、動いても出ないものを着用。
逆にヘジョナウ系では、靴を履くべきでないケースもあるので注意が必要。
アプレゼンタサォン
基本的に正装だが、目的によって変わるので確認が必要。
ワークショップ
基本的に、上下ともに何色でも構わないが、ワークショップによってはドレスコードがある場合もまれにあるので注意が必要。
少なくとも、半ズボンや一般の派手なTシャツ等、主催者に失礼な服装は避ける。
アンゴラの場合、ワークショップであっても裾が出ないTシャツと靴は必須。
自分のグループの通常の練習
そのグループの規定に沿う。団体によっては常に正装での練習参加を規定している場合もある。
ストリートホーダ
目的によって変わるので、要確認。正装の場合もあり、ジーンズにTシャツなど私服の場合もある。
カポエイラの服装に関する用語
カミーザ(camisa =シャツ)
上の服をカミーザと言い、意味はシャツを表します。
ワイシャツの場合もTシャツの場合もカミーザと言いますが、カポエイラの中では主に「上の服」という意味で使われることが多いです。
カミゼータ(camiseta =Tシャツ)
カミゼータは、特にTシャツを表します。
カミーザでも大体通じますが、特にTシャツということを厳密に伝えたい場合は、カミゼータの方が的確です。
カウサ(calça =ズボン)
下の服、ズボンをカウサと言います。
アバダ(abadá =ズボン)
カポエイラにおいてはカウサと同じ意味。ブラジルでは他に、カーニバルで販売されるシャツ、港で働く労働者のユニフォームなどの意味も持つ。
トド・ブランコ(todo blanco =上下白)
カポエイラに限定されませんが、ブラジルでは特に新年に出かける際、白一色の服装で出かけます。
まとめ
以上、カポエイラの服装についてまとめてみた。
われわれ一般の日本人が思っているより、かなり複雑で厳密なことに驚いたのではないだろうか?
ユニフォームという統一された服装で団結力を高めるという表の目的以外に、裏では服装を規定することで収益を上げるという目的もあったりするのがブラジルらしくて面白い。