カポエイラにおいて人間観察していると、色々とキャラクターを読み取れたりなんかしますが、
ハトはその中の一つとしてベンサォンやシャパ辺りに一つの壁があるのではないかと思います。
そして、それを超えられるかどうかでも上達に差がつくのではないかと。
今回はそんなお話です。
月曜日の五反田、上級者クラス。
この日は5人、後半から6人でみっちりと練習でした。
前回と同様、最初の30分はウォーミングアップとして
2人組もしくは3人組でゆっくりながら休み無しでジョゴ。
その後は、20分程度の自主練タイム。
そして最後にまた30分程度のジョゴ練習といった流れです。
さて、最後のホーダ内のジョゴの一場面。
我がカポエイラ東京が誇る、1人の巨神兵から強力なベンサォンが放たれると、あたり一面をなぎ払いバッタバッタと人々が倒れる!!
かと思いきや、力無く誰も居ない空間にペロッっとした蹴りが。。。
「早すぎたんだ。腐ってやがる」
どうやらこの心優しい巨神兵は、人に向かって蹴りができないようでした。
一方、別の場面では、カポエイラ東京が誇る小さな巨人が、しっかりとベンサォン/シャパを当てていました☆
誤解が無いよう補足しておきますが、
当てると言っても、相手を怪我させるようにまで激しくやる必要は無いですし、ましてや悪意を持ってやる行為ではありません。
相手に対して信頼と尊敬を持ちながら蹴るのとそうでないのでは、同じ当てるように蹴るケリでも、まったく意味が違います。
先日のワークショップでも、メストレ相手にやたら悪意を感じる蹴りを狙っていた輩もいましたが、それでは単なる暴力と変わりませんね。
話を戻しますが、ベンサォン/シャパの壁とは、
カポエイラをやっているのに日本人感覚が抜けきらず相手に当てる蹴りが打てないレベルから
カポエイラ魂を身につけ、相手に対して正しい蹴りが出来るようになるまでの間にある
カポエイリスタなら誰もが乗り越えなければならない精神的な障壁のことなのです。
この小さな巨人も、以前はなかなか人に対して当てるということができませんでした。
当てることをしないということは、相手と深くコミュニケーションを取ることが出来ない、
表面上のお付き合いのようになってしまい、浅いカポエイラになってしまいやすい気がします。
逆に当てるように蹴れるということは、相手を信頼していて、より深くコミュニケーションを取ろうという意思の現れではないかと。
それは、カポエイリスタとして大きな成長の一歩となるわけですね。
つまり、
この蹴りなら、この相手なら避ける事ができる!という信頼
このスピード、タイミング、力加減であれば怪我をさせない!というセルフコントロールと想像力
そしてなにより、相手を一人のカポエイリスタとしてリスペクトしている!という気持ち
これらを全て備えてこそ越えられる壁であり、
これを超える事によって、ようやくベンサォン/シャパをまるで当てるかのように蹴られるわけで、つまりメンタル面で大きく成長した事になるわけですね☆