夏のブラジルフェスタで無料で配っていた本について、冬になった今更ですが一筆
構成としては過去に綴られた文献や研究論文を編集した、非常に専門的かつアカデミックな内容です
平均的なカポエイリスタが知っているレベルよりはるかに深く、読み応えのある書籍となっています
アフリカから連れて来られた黒人奴隷から始まったカポエイラの歴史はもとより
カポエイラ アンゴラ、ヘジョナウ、コンテンポラーニャ、各カポエイラ界の詳細な政治的変遷等
それぞれのジャンルにどっぷり浸かっている人位しか知らない様な内容を集約して俯瞰できます
カポエイリスタ全員が他の流派の事を知る良いきっかけになるのではないでしょうか
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そのカポエイラの歴史の説明の中で、とある一つの出来事について記述がありました
それは、バイーアでは決して考えられなかったアンゴラとヘジョナウとの融合
遠く離れたサンパウロでは、それがコルダォン・ジ・オウロで実現したというくだりです
コルダォン・ジ・オウロ成立は、カポエイラの歴史の中では、多少なりとも特筆すべき出来事であったという点で、少し嬉しくなった次第です
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こういった素晴らしい文献を刊行するようにまでなり、今までカポエイラに対して放置だった現在のブラジル政府が、ようやく前向きにバックアップし始めたようです
つい最近も、カポエイラをブラジルの無形文化財として認めるようにまでなりましたからね
日本にもメストレが来やすくなると良いですね!
カポエイラの将来が明るくなってきましたよ~
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■本の内容
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はじめに
1 . カポエイラ 近年の挑戦
ルイス・ヘナト・ヴィエイラ、マティアス・ローリグ・アスンソン
2 . カポエイラの変貌―カポエイラの歴史をたどって
ギリェルミ・フラザォン・コンドゥル
3 . カポエイラ弾圧時代
フレデリコ・ジョゼ・ヂ・アブレウ
4 . 詩「カポエイラ闘士」
オズワルド・ヂ・アンドラーヂ
5 . グアルダ・ネグラ(黒人護衛隊)―政治舞台に登場したカポエイラ
カルロス・エウジェニオ・リバノ・ソアーレス
6 . カポエイラは防御、攻撃、ジンガ、そしてマランドラージェン(抜け目ない機転わざ)
アントニオ・リベラキ・カルドーゾ・シモンイス・ピレス
7 . アンゴラ流カポエイラ、ホダ(輪)の儀式
ホザ・マリア・アラウジョ・シモンイス
8 . カポエイラの神秘と魔術
ペドロ・ホドルフォ・ジュンジェルス・アビビ
9 . カポエイラの「動き」とメタファー
エリアニ・ダンタス・ドス・アンジョス
10. バイア・アンゴラ流カポエイラの音楽
ヒカルド・パンフィリオ・ヂ・ソウザ
11. カポエイラと女性たち
リリア・ベンヴェヌチ・ヂ・メネ-ゼス
12. カポエイラ女性師範インタビュー:ホザンジェラ・C・アラウジョさん(ジャンジャ師範)
13. カポエイラと20 世紀の体育学
パウラ・クリスチーナ・ダ・コスタ・シルバ
14. カポエイラがもたらす効果
ヒカルド・パンフィリオ・ヂ・ソウザ、リリア・ベンヴェヌチ・ヂ・メネーゼス
15. カポエイラと社会福祉
グラヂソン・ヂ・オリヴェイラ・シルヴァ、ヴィニシウス・エイニ
16. カポエイラの国際化
ジョゼ・ルイス・シルケイラ・ファルコン
挿絵を描いたアーティスト:カリベ
写真家ピエール・ヴェルジェ
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↓こちらから読む事が出来ます
ブラジル外務省刊カポエイラの本「Texts of Brazil」(https://www.brasemb.or.jp/culture/sports_03.php)